従来の天然ガスパスは、床下に鋼製の天然ガス自動車用高圧燃料容器を搭載しているため、低床化することができませんでした。しかし、平成10年4月から高圧ガス保安法関連規則が改正されたことにより、この高圧燃料容器をアルミやプラスチック等の構造材にカーボン繊維で補強して軽量化を図ることで、高圧燃料容器を屋根に搭載が可能になったため、天然ガスバスでありながら、低床化を実現することができました。
天然ガスバスとすることで、硫黄酸化物(SOx)・黒煙のゼロ化と、窒素酸化物(NOx)のディーゼル車比60〜70%への縮減が可能となりました。
さらに、乗降口の高さが地上から30cm(従来車より約50cm低い)で、入口の中扉には車椅子の乗降のために電動スロープが設けられています。また、乗降時には空気バネの空気を抜くことにより、乗降口の高さを約7cm下げることができます。車内の後方への通路については、初期型のノンステップバスは階段状になっていたのに対して、このバスではスロープ状になっており、車内通路に段差がないのも特徴といえるかもしれません。製造メーカーは日産ディーゼルで(車番89-3358)、所属は酉島営業所です。
なお、このバスの採用は、東京都に次いで2番目で、一台の価格は約3200万円(日経99.3.4より)とのことです。また、最初は1台での運行ですが、今年度中には8台を導入するとのことです。
左正面から(99.7.10野田阪神駅前)
屋根の上に見えるのが天然ガスの高圧燃料容器
右正面から(99.7.10野田阪神駅前)